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わたしと日常の謎

 

いったい、いつから疑問に思うことをやめてしまったのでしょうか? いつから、与えられたものに納得し、状況に納得し、色々なことすべてに納得してしまうようになったのでしょうか? いつだって、どこでだって、謎はすぐ近くにあったのです             ――加納朋子『ななつのこ』より――

 

 みなさん、おはようございます。藍川陸里と申します。僕はミステリの中の一ジャンルである北村薫をはじめとする"日常の謎"作品がとても好きです。”日常の謎”とは、日常生活の軟化に潜むちょっとした謎を取り扱ったミステリの一ジャンルです。このジャンルの魅力の一つは、その多様性。身近なものすべてが謎になる可能性を秘めていますので、様々な謎が存在します。別な魅力は、謎の解明される過程。”日常の謎”においては動機が重視されやすく、謎が解明されると同時に、登場人物の心情が明かされることも多い。”日常の謎”とは誰もが入れる物語。ここにも、そこにも、あそこにも。謎はたくさん転がっています。”日常の謎”には誰もが遭遇できる。それが”日常の謎”なのです。(日常の謎についてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください)

 ただし、”日常の謎”だからと言って殺人事件が起こらないわけではありません。殺人は結果としては”非日常”ですが、事件の発生はもしかしたら”日常”的なものかもしれません。例えば天藤真さんの『大誘拐』。これは一切人は死にませんし、登場人物も心の温かい人しか出てきません。でも読んでみればわかると思いますが、これは”日常”では決してないでしょう(ただし、売り手側からすれば「日常の謎」=「人が死なないミステリ」というレッテル張りしたほうがビジネスになりやすいというのも事実で)。

 過去に、今までに僕が触れてきた"日常の謎"作品のリストを覚書のために作ったのですが、某友人からそれを公開してほしいという依頼があったため、ここにそれを載せておきます。本当は、一作品ずつ丁寧にレビューしたかったのですが、分量と時間の都合上載せてはおりません(そして、一部「これは日常の謎じゃねーだろ!!(それどころかミステリですらない)」と突っ込まれる作品もあるかもしれませんが、僕の独断と偏見で載せました。ご了承ください)。このページが皆様の読書の参考になれば光栄です。

 

国内

愛川晶『うまや会談』

相沢沙呼『午前零時のサンドリヨン』

相沢沙呼『ロートケプシェン、こっちにおいで』

青井夏海『雲の上の青い空』

青井夏海『赤ちゃんを探せ』

青井夏海『赤ちゃんがいっぱい』

青井夏海『赤ちゃんはまだ夢の中』

青井夏海『陽だまりの迷宮』

青井夏海『スタジアム 虹の事件簿』

青崎有吾『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』

青柳碧人『ヘンたて 幹館大学ヘンな建物研究会』

青柳碧人『ヘンたて 2: サンタクロースは煙突を使わない 』

青柳碧人『ブタカン!~池谷美咲の演劇部日誌~』

青柳碧人『恋よりブタカン!~池谷美咲の演劇部日誌~』

我孫子武丸『人形はこたつで推理する』

我孫子武丸『人形はライブハウスで推理する』

天祢涼『謎解き広報課』

彩坂美月『ひぐらしふる』

在原竹広『ようこそ無目的室へ!』

泡坂妻夫『煙の殺意』

伊坂幸太郎『チルドレン』

石持浅海『Rの付く月には気をつけよう』

石持浅海『賢者の贈り物』

乾くるみ『蒼林堂書店へようこそ』

井上尚登『ホぺイロの憂鬱 JFL篇』

井上尚登『厨房ガール』

岩久勝昭『うれしの荘片恋ものがたり ひとつ、桜の下』

上田早夕里『ショコラティエの勲章』

大倉崇裕『オチケン!』

大倉崇裕『三人目の幽霊』

大倉崇裕『やさしい死神』

大崎梢『配達赤ずきん』

大崎梢『晩夏に捧ぐ』

大崎梢『サイン会はいかが?』

大崎梢『ようこそ授賞式の夕べに』

大崎梢『平台がおまちかね』

大崎梢『背表紙は歌う』

太田忠司『ルナティック・ガーデン』

太田忠司『狩野俊介の冒険』

恩田陸『像と耳鳴り』

恩田陸『六番目の小夜子』

門井慶喜『人形の部屋』

門井慶喜『天才たちの値段』

加納朋子『ななつのこ』

加納朋子『魔法飛行』

加納朋子『スペース』

加納朋子『螺旋階段のアリス』

加納朋子『月曜日の水玉模様』

玩具堂『子羊は迷わない 走る羊が1ぴき』

玩具堂『子羊は迷わない 回る羊が2ひき』

北村薫『空飛ぶ馬』

北村薫『夜の蝉』

北村薫『六の宮の姫君』

北村薫『朝霧』

北村薫『太宰治の辞書』

北村薫『ニッポン硬貨の謎』

北村薫『冬のオペラ』

北村薫『中野のお父さん』

北村薫『街の光』

北森鴻『花の下にて春死なむ』

北森鴻『桜宵』

北森鴻『螢坂』

北森鴻『香菜里屋を知っていますか』

北森鴻『メイン・ディッシュ』

鯨統一郎『なみだ研究所へようこそ』

鯨統一郎『邪馬台国はどこですか』

鯨統一郎『新・世界の七不思議』

倉知淳『日曜の夜は出たくない』

倉知淳『過ぎ行く風はみどり色』

倉知淳『幻獣遁走曲 -丸先輩のアルバイト探偵ノート-』

倉知淳『猫丸先輩の推測』

倉知淳『猫丸先輩の空論 –超絶仮想事件簿-』

倉知淳『占い師はお昼寝中』

剣持鷹士『あきらめのよい相談者』

小沼丹『黒いハンカチ』

小林泰三『大きな森の小さな密室』

小林泰三『路上に放置されたパン屑の研究』

近藤史恵『タルト・タタンの夢』

近藤史恵『ヴァン・ショーをあなたに』

近藤史恵『天使はモップを持って』

近藤史恵『賢者はベンチで思索する』

坂口安吾『アンゴウ』

坂木司『青空の卵』

坂木司『子羊の巣』

坂木司『動物園の鳥』

坂木司『先生と僕』

坂木司『僕と先生』

坂木司『和菓子のアン』

坂木司『シンデレラ・ティース』

坂木司『ホテルジューシー』

坂木司『切れない糸』

坂木司『和菓子のアン』

桜庭一樹『GOSICKs -ゴシックエス・春来たる死神-』

桜庭一樹『GOSICKs II -ゴシックエス・夏から遠ざかる列車-』

桜庭一樹『GOSICKs III -ゴシックエス・秋の花の思い出-』

桜庭一樹『GOSICKs IV -ゴシックエス・冬のサクリファイス-』

澤木喬『いざ言問わん都鳥』

沢村浩輔『インディアン・サマー騒動記』

沢村浩輔『夜の床屋』

柴田よしき『謎の転倒犬』

柴田よしき『ふたたびの虹』

柴田よしき『ぼくとユーレイの占いな日々』

小路幸也『東京バンドワゴン』

小路幸也『スタンド・バイ・ミー 東京バンドワゴン』

菅浩江『歌の翼に』

杉井光『生徒会探偵キリカ1』

杉井光『生徒会探偵キリカ2』

杉井光『生徒会探偵キリカ3』

杉井光『生徒会探偵キリカ4』

杉井光『生徒会探偵キリカ5』

杉井光『生徒会探偵キリカ6』

杉山幌『嘘月』

関田涙『名探偵 宵宮月乃 5つの事件』

関田涙『名探偵 宵宮月乃 5つの謎』

関田涙『名探偵 宵宮月乃 トモダチゲーム』

高木敦史『“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕』

高木敦史『“菜々子さん”の戯曲 小悪魔と盤上の12人』

高田崇史『千葉千波の事件日記 試験に出るパズル』

高田崇史『千葉千波の事件日記 試験に負けない密室』

高田崇史『千葉千波の事件日記 試験に出ないパズル』

高田崇史『千葉千波の事件日記 パズル自由自在』

高田崇史『千葉千波の事件日記 化けて出る』

田中啓文『落下する緑 永見緋太郎の事件簿』

田中啓文『辛い飴 永見緋太郎の事件簿』

田中啓文『獅子真鍮の虫 永見緋太郎の事件簿』

田中啓文『ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺』

田中啓文『ハナシにならん! 笑酔亭梅寿謎解噺2』

田中啓文『ハナシがはずむ! 笑酔亭梅寿謎解噺3』

田中啓文『ハナシがうごく! 笑酔亭梅寿謎解噺4』

田中啓文『ハナシはつきぬ! 笑酔亭梅寿謎解噺5』

谷原秋桜子『手焼き煎餅の密室』

戸板康二『グリーン車の子供 中村雅楽探偵譚』

友井羊『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』

長沢樹『上石神井さよならレボリューション』

長沢樹『消失グラデーション』

那須正幹『予告カードの謎』

七河迦南『七つの海を照らす星』

七河迦南『アルバトロスは羽ばたかない』

西澤保彦『夢は枯野を駆け巡る』

似鳥鶏『理由あって冬に出る』

似鳥鶏『さよならの次にくる<卒業式編>』

似鳥鶏『さよならの次に来る<新学期編>』

似鳥鶏『まもなく電車が出現します』

似鳥鶏『いわゆる天使の文化祭』

似鳥鶏『昨日まで不思議の校舎』

野村美月『”文学少女”と死にたがりの道化』

橋本紡『猫泥棒と木曜日のキッチン』

畠中恵『アコギなのかリッパなのか』

初野晴『退出ゲーム』

初野晴『初恋ソムリエ』

初野晴『空想オルガン』

初野晴『千年ジュリエット』

初野晴『惑星カロン』

はやみねかおる『少年名探偵 虹北恭助の冒険』

はやみねかおる『少年名探偵 虹北恭助の新冒険』

はやみねかおる『少年名探偵 虹北恭助の新・新冒険』

はやみねかおる『少年名探偵 虹北恭助のハイスクール・アドベンチャー』

はやみねかおる『少年名探偵 フランス陽炎村事件』

はやみねかおる『僕と先輩のマジカルライフ』

柊サナカ『谷中レトロカメラ店の謎日和』

東川篤哉『放課後はミステリーとともに』

東野圭吾『新参者』

日向まさみち『本格推理委員会』

深緑野分『戦場のコックたち』

藤野恵美『ハルさん』

本城雅人『ボールパークの神様』

松尾由美『安楽椅子探偵アーチー』

松尾由美『安楽椅子探偵アーチー オランダ水牛の謎』

松尾由美『ハートブレイク・レストラン』

松尾由美『ハートブレイク・レストラン ふたたび』

松尾由美『銀杏坂』

松尾由美『わたしのリミット』

松尾由美『バルーン・タウンの手品師』

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜』

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖2 〜栞子さんと謎めく日常〜』

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖3 〜栞子さんと消えない絆〜』

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖4 〜栞子さんと二つの顔〜』

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖5 〜栞子さんと繋がりの時〜』

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖6 〜栞子さんと巡るさだめ〜』

水原佐保『初桜 –青春俳句講座-』

緑川聖二『晴れた日は図書館へいこう』

緑川聖二『晴れた日は図書館へいこう ここから始まる物語』

光原百合『時計を忘れて森へいこう』

光原百合『十八の夏』

光原百合『最後の願い』

宮部みゆき『われらが隣人の犯罪』

村瀬継弥『藤田先生のミステリアスな一年』

物集高音『大東京三十五区 冥都七事件』

森晶麿『黒猫の遊歩あるいは美学講義』

森晶麿『黒猫の接吻あるいは最終講義』

森晶麿『黒猫の薔薇あるいは時間飛行』

森晶麿『黒猫の刹那あるいは卒論指導』

森晶麿『黒猫の約束あるいは遡行未来』

森晶麿『黒猫の回帰あるいは千夜航路』

森谷明子『れんげ野原のまんなかで』

森谷明子『千年の黙 源氏物語異本』

森博嗣『工学部・水柿助教授の日常』

森博嗣『工学部・水柿助教授の逡巡』

森博嗣『工学部・水柿助教授の解脱』

柳広司『漱石先生の事件簿 猫の巻』

山之内正文『八月の熱い雨』

吉永南央『萩を揺らす雨』

米澤穂信『氷菓』

米澤穂信『愚者のエンドロール』

米澤穂信『クドリャフカの順番』

米澤穂信『遠回りする雛』

米澤穂信『ふたりの距離の概算』

米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』

米澤穂信『夏期限定トロピカルパフェ事件』

米澤穂信『秋期限定栗きんとん事件<前編>』

米澤穂信『秋期限定栗きんとん事件<後編>』

米澤穂信『さよなら妖精』

若竹七海『サンタクロースのせいにしよう』

若竹七海『ぼくのミステリな日常』

アンソロジー『放課後探偵団』

アンソロジー『競作 五十円玉二十枚の謎』

アンソロジー『学園祭前夜』

 

 

国外

アイザック・アシモフ『黒後家蜘蛛の会1』

アガサ・クリスティ「安アパート事件」(『ポアロ登場』収録)

A・H・Z・カー「女心を読む男」(『世界ベスト・ミステリー50選/下』収録)

A・A・ミルン『ふしぎなあしあと』

A・A・ミルン『四日間の不思議』

ウィリアム・ブリテン『ストラング先生の謎解き講義』

エドガー・アラン・ポー「盗まれた手紙」

カーター・ディクスン『騎士の盃』

コナン・ドイル「三人の学生」(『シャーロック・ホームズの帰還』収録)

ジャック・フットレル「緑の目の怪物」(『思考機械の事件簿3』)

ジョン・ディクスン・カー「パラドール・チェンバーの怪事件」(『ミニ・ミステリ傑作選』所収)

G・K・チェスタトン「青い十字架」(『ブラウン神父の童心』所収)

ハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』

ピーター・ラヴゼイ「パパには話したの?」(『煙草屋の密室』所収)

ベン・ヘクト「十五人の殺人者たち」(『安楽椅子の探偵たち』所収)

E・W・ヒルディック『スパースターを救え』

マイクル・Z・リューイン『探偵家族』

モーリス・ルブラン「太陽のたわむれ」(『ルパンの告白』収録)

 

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