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わたしとミステリ

 

番外編.探偵の知的判断枠組

 

探偵の知的判断枠組――これであなたも奉太郎――

 

・探偵はなぜ事件を解決することができるのでしょうか。もしも「ひらめき」で事件を解決しているのであれば、事件は"運が良ければ"解決できるものとなってしまいます。しかし、推理小説では探偵はかなりの高確率で真相を暴いていることから、「運が良ければひらめく」という運に頼った解決法をしていないことになります。本稿では探偵の「頭の中身」がどのようになっているのか「ひらめきの必然性」について考察し、探偵が無意識のうちに行っている思考法について米澤穂信による『氷菓』をテクストとして述べたものです。探偵小説で提示される「問」に対する「解」の導出法という見方でも構いません。

・「本格推理小説」とは作者から提示される「解内在型」の「問」です。すなわち、必ず答えは存在する。某有名ミステリアニメの言葉を借りるのなら「真実は、いつも一つ」なのです。では、その「解」にたどり着くためには読者はどうすればいいのでしょうか。天才的な頭脳を持たない読者が事件の真相にたどり着くために必要な戦略的アプローチを本稿では提唱しました。天才が無意識のうちに使うこのアプローチを、我々一般人も意識的に使うことで、本格推理小説をより楽しめるようになるだけでなく、日常生活を豊かにすることもできると信じています。

・自分では真剣に書いたつもりですが、本稿は査読を受けたわけでも、雑誌掲載されたわけでも、学会発表したわけでもありません。それどころか農学部に所属する大学生の書いたものです。議論に粗末な部分や読み苦しいものになっているかもしれませんがご容赦願います。ご助言、ご質問、ご意見、ご感想、ご批判などありましたら遠慮なくContactよりお願いします。

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